「フッ素が虫歯予防に役立つのは知っているけれど、子供にはどのくらい使えばいいの?」「飲み込んでも大丈夫?」――そんな疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。フッ素は、量や使い方のポイントを押さえることで、より安心して役立てられます。こどもの歯シリーズ第4回では、鹿児島市武岡の小森歯科クリニックが、年齢別の歯みがき粉の目安と、効果を引き出す使い方をお伝えします。
フッ素(フッ化物)は、多くの歯みがき粉に含まれている成分で、虫歯予防を助けるはたらきが知られています。
はたらきは大きく三つあります。一つは、歯の表面から溶け出したミネラルを歯に戻す「再石灰化」を助けること。もう一つは、歯の質を強くして、酸に溶けにくくすること。さらに、虫歯の菌が酸をつくるはたらきをおさえることも報告されています。とくに、生えたばかりの子供の歯はやわらかく、虫歯になりやすい時期です。だからこそ、毎日の歯みがきでフッ素を上手に取り入れることが、予防の心強い味方になります。ただし、フッ素は「使えば絶対に虫歯にならない」というものではなく、歯みがきや食習慣と組み合わせてこそ力を発揮します。
フッ素は、年齢に合った「濃度」と「量」で使うことが大切です。日本の関連学会が示す目安(2023年)を紹介します。製品によって濃度が異なるため、パッケージの表示もあわせてご確認ください。
歯が生えてから2歳ごろまでは、フッ素濃度およそ1000ppmのものを、米粒程度(1〜2mm)のごく少量で。3〜5歳は、同じく1000ppmを、グリーンピース程度(5mm程度)で。6歳以上では、1500ppmのものを、歯ブラシ全体(1.5〜2cm程度)に使うのが目安とされています。なお、高濃度の1500ppm製品は、6歳未満のお子さんには使用を控えることがすすめられています。数字はあくまで目安であり、お子さんの発達や飲み込みの様子には個人差があります。心配なときは、歯科で相談すると安心です。
同じフッ素でも、使い方しだいで効果の残り方は変わります。ポイントはいくつかあります。
まず、歯みがきは就寝前を含めて1日2回が基本です。眠っている間はだ液が減り、虫歯になりやすいため、寝る前の歯みがきはとくに大切です。次に、歯みがきのあとのうがいは、少量の水で1回だけにとどめ、何度もゆすがないことがコツです。たくさんゆすぐと、せっかくのフッ素が流れてしまうためです。まだうがいが上手にできない小さなお子さんは、歯みがき粉を軽く吐き出させたり、ティッシュやガーゼでやさしく拭き取ったりする方法もあります。また、フッ素入りの歯みがき粉は、お子さんが誤ってたくさん口にしないよう、手の届かない場所に保管しましょう。次回は、はじめての歯医者さんを怖がらないための工夫をお伝えします。気になることがあれば、小児歯科のページもあわせてご覧ください。
毎日の歯みがきに加えて、歯科でもフッ素を取り入れることで、虫歯予防に役立つことが期待できます。
歯科では、家庭用より高い濃度のフッ素を、歯の状態を確認しながら塗布することができます。家庭での毎日のケアが「こつこつ続ける予防」なら、歯科でのフッ素や定期検診は「専門の目で仕上げる予防」といえます。この二つを組み合わせることが、子供の歯を虫歯から守るうえで役立ちます。歯科でのフッ素塗布をどのくらいの間隔で行うかは、虫歯のなりやすさやお口の状態によって変わるため、歯科医院で一人ひとりに合わせて判断します。ご家庭では続けにくい高濃度のケアを定期的に補える点も、歯科を活用するメリットです。当院でも、お子さん一人ひとりのお口の状態にあわせて、フッ素の活用や予防のご提案を行っています。まずは気軽に、今の状態を確認することから始めてみましょう。
フッ素は、年齢に合った「濃度」と「量」で使うことが大切です。歯が生える〜2歳は約1000ppmを米粒程度、3〜5歳はグリーンピース程度、6歳以上は1500ppmを歯ブラシ全体が目安です。就寝前を含め1日2回みがき、うがいは少量の水で1回にとどめると、フッ素を活かしやすくなります。家庭のケアと歯科でのフッ素・定期検診を組み合わせて、お子さんの歯を守っていきましょう。鹿児島市武岡の小森歯科クリニックは、ご家族の予防をお手伝いします。ほかの記事は歯科コラム一覧からご覧いただけます。
※本記事は一般的な健康情報の提供を目的としたもので、特定の効果を保証するものではありません。フッ化物配合歯磨剤の濃度・使用量は製品やお子さんの状態により異なります。使用量や安全性については製品表示をご確認のうえ、心配な点は歯科医院へご相談ください。(参考:日本小児歯科学会ほか4学会「フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法」2023年、厚生労働省「e-ヘルスネット」をもとに作成)