「歯ぐきから血が出るけれど、痛くないから大丈夫」――そう思って様子を見ていませんか。歯周病は痛みが出にくく、気づかないうちに進みやすい病気です。けれども、正しい知識と毎日の習慣があれば、予防はけっして難しくありません。鹿児島市武岡の小森歯科クリニックが、今日から始められる歯周病予防のコツを、いっしょにやさしく見ていきましょう。
歯周病は、歯と歯ぐきの間にたまった汚れの中の細菌が原因で起こります。この汚れは「プラーク(歯垢/細菌のかたまり)」とよばれ、やわらかいうちは歯みがきで落とせますが、放っておくと硬い「歯石」に変わり、歯ブラシでは取れなくなります。
歯石の表面はざらざらしていて、さらに細菌が住みつきやすい場所になります。すると歯ぐきに炎症が起こり、歯と歯ぐきの間の「歯周ポケット(歯と歯ぐきのすき間)」が少しずつ深くなっていきます。やがて歯を支える骨が溶け、進行すると歯がぐらついて抜けてしまうこともあります。
こわいのは、初期の歯周病はほとんど痛みがないこと。サイレントディジーズ(静かに進む病気)ともよばれ、出血や口のねばつきといった小さなサインを見逃すと、気づいたときには進んでいることも少なくありません。だからこそ、症状が出る前から取り組む「予防」が何より大切なのです。
歯周病予防の土台は、毎日のていねいなセルフケアです。むずかしいことは必要ありません。次の3つを意識するだけで、お口の環境は大きく変わります。
歯と歯の間は、歯周病が始まりやすい場所です。歯ブラシだけで落とせる汚れは全体の6割ほどといわれ、フロスや歯間ブラシを加えることで、より多くの汚れを落としやすくなります。最初は面倒に感じても、続けるうちに自然と習慣になっていきます。
あわせて、規則正しい食事や十分な睡眠、禁煙といった生活習慣も、歯ぐきの健康を守る大切な要素です。予防歯科の考え方をふだんの暮らしに取り入れていきましょう。
毎日ていねいに磨いていても、歯ブラシやフロスだけでは取りきれない汚れが残ります。とくに、一度かたまってしまった歯石は、自分では取り除けません。ここで力になるのが、歯科での専門的なケアです。
歯科医院では、専用の器械を使って歯石やこびりついた汚れを取り除く「クリーニング」を受けられます。歯の表面をなめらかに整えることで、汚れが再びつきにくい状態に近づけます。さらに、歯科衛生士が一人ひとりのお口に合った磨き方をアドバイスするので、毎日のセルフケアの質も高まります。
すでに歯ぐきの炎症が進んでいる場合は、お口の状態に合わせた歯周病治療で、ていねいに対応します。セルフケア(自宅でのケア)とプロフェッショナルケア(歯科でのケア)は、車の両輪のような関係。どちらか一方ではなく、両方を組み合わせることが、歯周病予防の近道です。
歯周病予防でもう一つ欠かせないのが、定期的な歯科検診です。歯周病は静かに進むため、自分では気づきにくいもの。定期検診を受けていれば、小さな変化のうちに見つけ、早めに手を打ちやすくなります。
検診の間隔は、お口の状態によって異なりますが、おおむね3〜6か月に一度を目安にする方が多くいらっしゃいます。検診では、歯ぐきの状態のチェック、歯石の除去、磨き残しの確認などを行います。「困ってから行く場所」ではなく「健康を守るために通う場所」として歯科を活用すると、結果として治療の負担も抑えやすくなります。
歯は一度失うと元には戻りません。ご自身の歯で食事や会話を楽しめる毎日は、何よりの財産です。当院では、患者様一人ひとりのお口に合わせた予防プランをご提案しています。「最近、歯ぐきの状態が気になる」「しばらく検診を受けていない」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。
歯周病は、痛みが出にくく静かに進む病気ですが、毎日のセルフケアと歯科での予防を組み合わせれば、しっかり備えることができます。歯ブラシにフロスや歯間ブラシを加え、定期検診で専門的なケアを受ける――この積み重ねが、お口の健康を長く守る土台になります。気になるサインに心当たりがあれば、それが見直しのタイミングです。小森歯科クリニックは、お口から皆さまの健康をサポートします。ほかの記事は歯科コラム一覧からご覧いただけます。
※本記事は一般的な健康情報の提供を目的としたもので、特定の効果を保証するものではありません。お口の状態には個人差があります。歯周病の予防やケアについては、かかりつけの歯科医院にご相談ください。(参考:厚生労働省「e-ヘルスネット(歯周病)」、日本歯周病学会および日本臨床歯周病学会の公開情報をもとに作成)