これまでのシリーズでは、出っ歯・受け口・ガタガタといった歯並びを取り上げてきました。今回はもう少し気づきにくい、「かみ合わせ」の問題です。前歯がかみ合わない「開咬(かいこう)」と、かみ合わせが深すぎる「過蓋咬合(かがいこうごう)」の2つを、鹿児島市武岡の小森歯科クリニックがやさしくご紹介します。見た目だけではわかりにくいタイプなので、ご家庭での気づきのヒントとしてお役立てください。
開咬とは、奥歯をしっかり噛んでいるのに、上下の前歯のあいだにすき間が残ってしまう状態のことです。奥歯はきちんと噛めているぶん、「歯並びの問題」として意識されにくいのが特徴です。
ご家庭で気づきやすいサインには、いくつかのポイントがあります。まず、口を閉じて奥歯を噛んでも、前歯どうしが合わずにすき間があいている。前歯のあいだから舌がのぞいて見える。めん類や葉物など、前歯でかみ切る食べ物が苦手で食べこぼしが多い。サ行やタ行が舌足らずに聞こえるなど、発音が気になる。ふだんから口がぽかんと開きやすい――こうした様子が重なるときは、開咬の可能性があります。背景には、指しゃぶりや、舌を前に押し出す癖、口呼吸などがかかわっていることがあるといわれています。食べる・話すといった毎日の動きに関係するタイプなので、気づいたら一度チェックしておきたいところです。
一方の過蓋咬合は、噛んだときに上の前歯が下の前歯に深くかぶさり、下の歯がほとんど見えないほど深くかみ込む状態を指します。開咬とは逆に「しっかり閉じている」ように見えるため、保護者の方がもっとも気づきにくいタイプのひとつです。
見分けのヒントとしては、次のような点があります。噛んだときに下の前歯が上の歯に隠れて、ほとんど見えない。笑ったときに下の歯があまり見えない。上の前歯の裏や、下の前歯の先が、反対側の歯ぐきに触れているように見える。下あごを前後に動かしにくそうにしている――こうした様子が見られることがあります。かみ合わせが深いと、下の前歯が歯ぐきに当たって負担がかかったり、あごの動きに影響が出たりすることがあるとされています。「見た目は問題なさそう」と思えても、噛み方に特徴がある場合は、確認しておくと安心です。
開咬も過蓋咬合も、程度や成長の段階によって、しばらく経過を見てよい場合と、相談したほうがよい場合があります。あわてて何かを始める必要はありませんが、目安を知っておくと判断に迷いにくくなります。
まず、前歯でうまく噛み切れない、発音が気になる、下の前歯がほとんど見えない、噛むときにあごがずれる感じがある――こうしたサインに気づいたら、次の定期検診の機会に確認してもらうとよいでしょう。そのうえで、症状が続く、または食事や発音で困っている様子があるときは、あらためて歯科に相談されることをおすすめします。乳歯から永久歯へと生え替わる時期は、かみ合わせが大きく変わるタイミングでもあります。「気になるけれど、相談するほどかな?」と迷ったときこそ、検診のついでに一言たずねてみてください。当院では、対応の必要性や時期、費用やリスクについても、診察のなかで具体的にご説明しています。
開咬は前歯がかみ合わずすき間が残るタイプ、過蓋咬合はかみ合わせが深すぎるタイプで、どちらも見た目だけでは気づきにくいのが共通点です。食べる・話す・あごの動きに関わることもあるため、気になるサインがあれば、定期検診の機会に確認しておくと安心です。鹿児島市武岡の小森歯科クリニックでは、かみ合わせのご相談も承っています。ほかの記事は歯科コラム一覧からご覧いただけます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の治療効果を保証するものではありません。かみ合わせの状態や適切な対応の時期・方法・費用・リスクは、お子さんのお口や成長の状態によって一人ひとり異なります。実際の診断・治療方針は、歯科医院での診察のうえで決定します。気になる場合はお早めにご相談ください。