ドラッグストアの歯磨き粉売り場で、種類の多さに迷ってしまった経験はありませんか。「結局どれも同じでは」と、なんとなく選んでいる方も多いかもしれません。実は、毎日使う歯磨き粉は、選び方の小さなコツを知っておくと、虫歯予防の心強い味方になります。今回は、選ぶときに最初に見たい「フッ素濃度」を中心に、やさしく整理してみましょう。
歯磨き粉を選ぶとき、まず確認したいのがフッ素(フッ化物)の濃度です。フッ素には、歯から溶け出したミネラルを歯に戻す「再石灰化」を助けたり、歯を酸に溶けにくくしたりする働きがあると考えられており、虫歯予防の基本としてひろく使われています。
濃度は「ppm(ピーピーエム)」という単位で表され、パッケージの成分表示や箱の側面に「1450ppm」などと書かれています。日本では以前、市販の歯磨き粉は1000ppmまでが上限でしたが、2017年の見直しで、最大1450ppmまでの製品が販売できるようになりました。一般的に、年齢や状況に応じて適切な濃度を選ぶことが、予防の観点から大切だといわれています。
「高ければ高いほどよい」というわけではなく、お子さまには年齢に合った濃度を選ぶ配慮も必要です。まずは、ご自分やご家族が今使っている歯磨き粉が何ppmなのか、一度確かめてみることをおすすめします。
フッ素濃度は、年齢によって適した目安が変わります。これは、小さなお子さまが歯磨き粉を飲み込んでしまう量も考えて設定されているためです。歯科の専門学会が2023年に示した目安では、おおよそ次のように考えられています(推奨は改定されることがあります)。
お子さまの場合は、量を「つけすぎない」ことと、保護者の方が仕上げ磨きで様子を見てあげることが安心につながります。まだ上手にはき出せない年齢のうちは、磨いたあとに余分な泡をティッシュなどで軽くぬぐってあげると、飲み込む量を減らせます。なお、6歳未満のお子さまには、大人向けの高濃度(1450ppmなど)の製品ではなく、年齢に合った濃度のものを選んであげてください。一方で大人や高齢の方は、虫歯のリスクが気になる時期にしっかり濃度のあるものを選ぶ、という考え方もあります。とくに歯ぐきが下がって歯の根もとが見えてきた方は、その部分が虫歯になりやすいため、高めの濃度のフッ素が役立つと考えられています。年齢や口の状態によって適した選び方は異なるため、迷ったときは予防歯科で相談していただくと、より具体的にご案内できます。
フッ素濃度のほかにも、目的に合わせて見ておきたいポイントがあります。たとえば、歯ぐきが気になる方は歯周病ケア向けの成分が入ったもの、冷たいものがしみやすい方は知覚過敏に配慮した成分のものなど、悩みに合わせた選択肢があります。
また、研磨剤(歯の表面をみがく粒子)が強すぎるものを力任せに使うと、かえって歯を傷めてしまうことがあります。低研磨や研磨剤無配合のタイプもあるので、ゴシゴシ磨きが習慣になっている方は見直してみてもよいでしょう。発泡剤が多いと泡立ちで「磨けた気」になりやすいため、泡に頼りすぎず、時間をかけてていねいに磨くことが大切です。
使うタイミングも大切で、歯みがきは1日2回、とくに就寝前のケアをていねいに行うとよいといわれています。仕上げのコツとして、磨いたあとのすすぎは少なめの水で一度ほどにとどめると、フッ素がお口に残りやすいと考えられています。せっかくのフッ素を活かすうえで、ちょっと意識してみてください。
店頭で迷ったときは、次の点をチェックしてみましょう。
歯磨き粉は毎日使うものだからこそ、ご自分やご家族に合ったものを選びたいですね。とはいえ、種類が多く、成分表示も専門的でわかりにくいのが正直なところです。「うちの子には何ppmがいい?」「歯ぐきが気になるけれどどれを選べば?」といった疑問は、歯科で気軽にご相談ください。鹿児島市武岡の小森歯科クリニックでは、お口の状態を確認しながら、一人ひとりに合ったケア用品の選び方や使い方をご提案しています。歯磨き粉選びは、毎日のケアを見直すよいきっかけになります。
歯磨き粉選びでまず注目したいのは、フッ素濃度です。年齢に合った濃度を選び、量や使い方にも少し気を配ることで、毎日のケアの質はぐっと高まります。フッ素以外にも、歯周病ケアや知覚過敏など、悩みに合わせた選択肢があります。種類が多くて迷うときは、自己流で決めてしまう前に歯科で相談するのが近道です。鹿児島市武岡の小森歯科クリニックは、ケア用品選びの面からも、皆さまの健康な口づくりをサポートします。ほかの記事は歯科コラム一覧からご覧いただけます。
※本記事は一般的な健康情報の提供を目的としたもので、特定の効果を保証するものではありません。お口の状態や適したケア用品には個人差があります。気になる点がある場合は、歯科医院へご相談ください。(参考:厚生労働省「e-ヘルスネット(フッ化物配合歯磨剤)」、日本口腔衛生学会ほか4学会合同「フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法」(2023年)の公開情報をもとに作成)