「最近、硬いものが噛みにくくなった」「歯がグラグラしてきた気がする」——そんな変化を感じていても、「忙しいから」と受診を先延ばしにしていませんか。実は、そうした症状は歯周病(しゅうびょう)が静かに進行しているサインかもしれません。鹿児島市武岡の小森歯科クリニックが、歯周病の進行が食生活にどんな影響をもたらすのかをお伝えします。
歯周病とは、歯を支える骨(歯槽骨〔しそうこつ〕)や歯ぐき(歯肉)が細菌によって破壊されていく病気です。虫歯と違い、初期段階では痛みがほとんどなく、自覚症状がないまま進行するのが大きな特徴です。
進行の段階は大きく分けると次のようになります。
日本では成人の約8割が歯周病またはその予備軍とされており、決して他人事ではない病気です。歯周病治療についても、あわせてご覧ください。
歯周病が中期から重度へと進むにつれ、食事への影響が具体的に現れてきます。
噛む力が落ちる
歯を支える骨が溶けていくと、歯が安定しなくなります。硬い食べ物を噛むたびに歯がぐらつき、痛みや不快感が生じます。すると自然と「噛みやすいもの」「やわらかいもの」ばかりを選ぶようになります。
食べられるものが限られる
ステーキや根菜類、固いパンなど「噛みごたえのある食品」を避けるようになると、食事のバリエーションが大きく減ります。噛まなくてよい食品に偏ると、栄養バランスが崩れやすくなり、全身の健康にも影響が及びます。
歯を失うと状況はさらに悪化する
歯周病が最終段階まで進むと、歯は抜けてしまいます。歯を失った状態では、噛む力は健全な状態と比べて大幅に低下します。食べ物をよく噛んで消化する力が弱まると、胃腸への負担も増えます。また、硬い食品を避けることで脳への刺激が減り、認知機能への影響を指摘する研究もあります。
歯を1本失うだけで、食生活は大きく変わります。複数の歯を失えば、その影響はさらに広がります。予防歯科で早期に対策することが、こうした事態を防ぐ近道です。
歯周病の怖さは、「痛くない」まま進行することにあります。
風邪なら発熱や喉の痛みで「具合が悪い」と気づけます。しかし歯周病は、歯ぐきが腫れていても、骨が溶けていても、初期〜中期段階では自覚症状がほとんどありません。痛みが出るころには、すでに重度まで進行していることも少なくないのです。
「痛みがないから歯科に行っていない」という方こそ、最も注意が必要です。定期的な検診で歯周ポケットの深さを測り、早期に発見・対処することが、歯を長く守るうえで最も大切な習慣です。
歯周病は、放置するほど取り返しのつかない結果を招く病気です。「まだ大丈夫」と先延ばしにしている間にも、歯を支える骨は少しずつ失われていきます。食事が噛めなくなってから後悔しないために、今できることから始めることが大切です。
小森歯科クリニックでは、歯周病の検査・診断から治療・予防ケアまでを一貫してご提供しています。「最近、歯ぐきが気になる」「検診をしばらく受けていない」という方は、お気軽にご相談ください。歯科コラム一覧では、歯周病に関するシリーズ記事も順次ご紹介しています。